株式投資に興味を持つ方にとって、「NASDAQ総合指数」や「NASDAQ100指数」はよく耳にするキーワードです。しかし、実際にどのような違いがあり、投資先としてどう使い分けるべきかを理解している方は意外と少ないかもしれません。
さらに見逃せないのが、NASDAQ100には含まれていないものの、将来有望な企業がNASDAQには多数上場しているという点です。
📌 NASDAQ市場とは?
NASDAQは1971年に誕生した、世界初の電子株式取引所です。AppleやMicrosoft、Amazonといったテックジャイアントをはじめ、新興企業や成長企業が多数上場しています。
他の市場(例:NYSE)と比べて上場基準が柔軟で、スタートアップにも門戸が開かれているのが特徴です。
🔢 NASDAQ総合指数とは?
NASDAQ総合指数(NASDAQ Composite Index)は、NASDAQに上場しているすべての普通株(約3,000銘柄以上)を対象とした時価総額加重平均型の株価指数です。
特徴
💯 NASDAQ100指数とは?
NASDAQ100指数(NASDAQ-100 Index)は、NASDAQ市場に上場する非金融の時価総額上位100社で構成される株価指数です。ETF「QQQ(Invesco QQQ Trust)」のベンチマークとしても人気があります。
特徴
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非金融セクターに限定されており、金融機関は含まれていない。
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成長力・規模のある企業に絞られているため、パフォーマンスは高くなりがち。
👥 NASDAQ100に含まれていないが注目のNASDAQ上場企業
NASDAQ市場には、NASDAQ100にまだ採用されていない成長ポテンシャルの高い企業も多く存在します。こうした企業は、NASDAQ総合指数には含まれています。
以下はその一例です:
企業名 | ティッカー | 業種 | 特徴 |
---|---|---|---|
Roku, Inc. | ROKU | メディア・通信 | ストリーミングプラットフォーム。収益成長率は高水準。 |
Toast, Inc. | TOST | ソフトウェア(POS) | レストラン向けクラウド型POSサービスで急成長中。 |
Duolingo, Inc. | DUOL | 教育テック | 語学学習アプリで世界展開、ユーザー数が拡大中。 |
Global-E Online | GLBE | ECインフラ | 越境EC支援ソリューションで注目。 |
Sarepta Therapeutics | SRPT | バイオ医薬 | 希少疾患向け治療薬を開発中のバイオ株。 |
これらの企業は、まだNASDAQ100に入っていないものの、今後の成長が期待されており、中小型株投資家には見逃せない存在です。
📈 過去10年のリターン比較:NASDAQ総合 vs NASDAQ100
指数選びで悩んだときに参考になるのが「過去の実績」です。NASDAQ総合指数とNASDAQ100指数は、ともに米国株式市場の成長を象徴する存在ですが、リターンには明確な違いがあります。
ここでは、それぞれに連動する代表的なETFをもとに、過去10年間のリターンを比較してみましょう。
※データは2025年6月時点の概算に基づきます。
🔍 リターンの差の背景
NASDAQ100指数は、Apple・Microsoft・NVIDIA・Amazonなどテック業界の巨人たちに大きく依存しているため、好調なハイテク相場ではリターンが大きくなりやすい構造です。
一方でNASDAQ総合指数は、成長段階の中小型株やバイオ・医療など多様なセクターを含むため、分散性が高く、リターンもやや穏やかになります。
どちらも一見好調そうに見えますが、タイミングによっては大きくマイナスになっている年もあるため注意が必要です。
例えばNASDAQ100指数を2000年初->2010年末で見てみると-45%前後となっており、ITバブルやリーマンショックの影響を大きく受けていることがわかります。
👀 投資家の視点での使い分け
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✅ 成長重視・ハイテク集中ならNASDAQ100(例:QQQ)
→ テック株中心に堅実に伸びる大型株への集中投資。 -
✅ 中長期で新興企業も狙いたいならNASDAQ総合指数(日本では投資しづらい。。)
→ 時価総額の小さい企業も含まれるため、将来のテンバガー候補を間接的に取り込める。 -
✅ 安定・配当志向ならNYSE上場銘柄
→ Johnson & Johnson、Coca-Cola、JP Morganなど、老舗・大型企業が豊富。
🧩 まとめ
NASDAQ市場は常に革新の中心にあり、成長投資家にとって魅力的な投資対象です。指数の特徴を理解し、目的に応じた使い分けをすることが、リスクとリターンのバランスを取る鍵になります。
ただしNASDAQ総合指数については、日本から投資できるものが実は少なく、投資信託で「野村−米国NASDAQオープンBコース」など信託報酬が他と比較して大きいものしかなさそうです。
NASDAQ100指数は豊富にETF/投信が揃っているので、保有資産の一部を積極型で運用したい場合ポートフォリオに組み込むと良いと思います。
免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や投資商品の売買を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。